『 新リア王 』下巻・雑記


ネタバレ有ります。未読の方はご注意ください。

*   *   *   *   *   *

『 新リア王 』 やっと、読み終わりました~!

う~ん、難しかった~。
特に、政治の諸々の語り場面は、ホントしんどかったです。

しかし、日本の政治がどのように成り立っているのかが、おぼろげながらに理解できて勉強になりました。
理解できたのは、あくまで 「おぼろげに」 ですが。
やっぱり政治って、きれいごとばかりじゃ出来ないのねぇ。
汚い世界だと思いました。
色で例えたら、限りなく黒に近いグレー。
人間の欲望と、巨額のお金が渦巻いている世界なんですねぇ。
しかも、そこには決して表には出てこない黒い人脈が繋がっている。
そして、警察や検察も・・・・。
政治家が選挙の票の取引なんか裏でしてたら、あたしたちがわざわざ投票に行く意味があるんだろうか?
自分の投票したたったの一票なんて意味無いんじゃないか?
とか、思わず考えちゃいました。

やっぱりこういう世界は、あたしは好きになれないなぁ。
もはや、嫌悪感を感じる。
日本の政治の汚い構造に思いっきり失望しました。
(まぁ、政治が汚いのは世界共通なのかもしれないけど。もっと汚い国なんて山ほどありそうだけど)
だけど唯一の救いは、『 新リア王 』 に出てくる政治家(榮や優など)が、それぞれにそういった
政治の仕組みに失望感を抱いていて、少しでも変えていこうという意思を持っていることかな。

あとは、政治家だけではなく有権者側も結局は自分の利益ばかり考えていることにも失望した。
「 投票してやるからそのかわり、こっちにも何か見返りを寄こせ 」 みたいな。
皆、欲の塊。 もう人間って嫌だなぁ って思っちゃいました。
結局は、原発だって人間の強欲から出来たもののような気がするし。

とにかく、いろいろ考えさせられました。


『 新リア王 』、難しいし、とっつき難いお話ですけど、出てくる人物は皆、魅力的です。
すごくリアリティがあって、皆完全じゃなくどこか壊れた感じが人間臭くて魅力的。
福澤優もそうだし、貴弘も彰之も、そして秘書の竹岡も。
さすが髙村薫!! って思いました。
「 髙村薫って、魅力的な人間書くのが本当に上手い作家だなぁ 」 と、改めて思いました。
あっ、でも、福澤榮だけは好きになれなかった。
なんか、自分勝手な男だなって思った。
最後まで自分勝手だった。
さすがに、70過ぎた爺ちゃんには感情移入出来なかったなぁ。



・・・ 一応、おまけで、主な政官界の人物紹介を書いてみる。 ・・・


【 福澤榮を取り巻く政官界の人々 】

福澤 榮  自民党代議士(46年~), 自民党青森県連会長
福澤 優  自民党参議院議員(80~86年), 青森県知事(87年~)・・(福澤榮の長男)
福澤 肇  福澤建設社長, 福澤榮後援会連合会長 ・・(福澤榮の次男)
福澤百合  福澤榮後援会事務局長 ・・(福澤榮の姪)
福澤總一  福澤水産社長, 福澤榮後援会三八支部長 ・・(福澤榮の甥)
福澤貴弘  通産官僚 ・・(福澤榮の甥)
保田英世  資金管理担当私設秘書
竹岡 潔  選挙区担当私設秘書
熊谷洋三  政策担当公設第一秘書
戸田賢一  庶務担当公設第二秘書


DSC01564.jpg


『 晴子情歌 』 → 『 新リア王 』 と読んで、たまらなく 『 太陽を曳く馬 』 を、もう一度読みたくなりました。
今だったら、前とは違った視点で読めると思う。
近いうちに 『 太陽を曳く馬 』、再読しようと思います。


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初めまして

こんにちわ、彩の猫です。
私も最近何とか 「新リア王」を読み終えました。
30年近く昔のお話ですが、政治家の名前が変わっただけの、悪い意味で今にも通じるお話だと思います。
こんな裏工作をされるなら、一般人の一票にどれほどの意味があるんでしょうね。
投票率よりこちらの方が問題なんじゃ…。

榮ですが私もあまり好きではありません。
時代の流れに乗れなかった事もありますが、優に裏切られたのは長年の榮の態度が大きいと思います。
本妻に向かって弟嫁を「生涯唯一惚れた女」と言う部分に、「晴子情歌」から変わらない榮の傲慢さが良く出てると感じます。

照柿のマンガ版、何度も噴き出してしまいました。
マンガの内容ではなく、絵で笑ったのは久しぶりです。
yuki様の照柿の感想記も楽しみにしてますね!
「照柿」は合田シリーズで一番好きですが、私がマンガ版を手にする日は来ないでしょうね…。

また訪問したいと思います、それでは!

Re: 初めまして

こんばんは、彩の猫さん。
はじめまして。

ご訪問、ありがとうございますe-343

彩の猫さんも 『新リア王』、読まれたのですね。
読後、なんかすごい達成感がありませんでしたか?
あたしは、読み終わった後、思わず 「終わった~!!」 って言っちゃいました。
難しかったけど、良い小説だと思いました。

確かに、政治の世界って昔も今もそんなに変わっていないのかも知れませんね。
選挙の票の裏取引なんて考えたことも無かったけど、実際に行われているとしたら本当、何の為の選挙なんでしょうねぇ。
本当、仰る通り、投票率よりこっちの方が問題ですよね。

榮は、あたしも好きになれません。
弟の嫁に手を出して子供まで生ませておいて、その子供、彰之には何一つ父親らしいことはしなかったくせに、優や妻に裏切られて、自分の政治生命が危うくなったとたん、今までほったらかしだった彰之のところに行って、ぐちぐち愚痴を言うって。
それに、汚い仕事は全て秘書にやらせて自分は何一つ手を汚さず、最後は英世があんなことに・・・・。
凄く勝手で、傲慢な男だと思います。
最後に、自分の息子や妻に裏切られたのも当然の報いかなと。

それから 『照柿・マンガ』、見ていただいたんですね!!
あの絵は、なかなか・・・最低でした(笑)。
でも、話は結構、原作に忠実に描いてありましたよ。
ただ、あのマンガ、途中で打ち切りになったのか完成すること無く終わったようです。
『照柿』 のマンガ化ってかなり難しそうですよね。
あたしは、どっちかって言ったら 『マークスの山』 をマンガ化してほしいです。
マークス・マンガ化も難しそうですが・・・(汗)。

『照柿』感想記、楽しみにしている、と言って頂けて嬉しいです!!
「あの感想記シリーズ、他の人が読んでもきっと面白くないんだろうな~」 とかって最近は思っていたので、そう言ってもらえるとちょっと勇気を貰えます。
ありがとうございますe-466

ぜひぜひ、また遊びに来てください。
では。
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プロフィール

YUKI

Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

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