檀林皇后私譜

ちょっと前に読んだ本で、すごく面白かった本。

『 檀林皇后私譜 』 上・下巻


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平安時代初期の嵯峨天皇の妻であり、後皇后となる橘 嘉智子の生涯を書いたお話なのですけど
もう、どろっどろの権力争いのお話でもあるんですよね。

当時の日本は天皇が絶対的な存在であり、また、王位継承されるのも現在のように
天皇と皇后の間の生まれた長男、と決められていたわけでは無いようで、そのうえに
天皇には妻は一人ではなく、いわゆる一夫多妻制であり、その子供達はみな次期天皇候補な訳で
その天皇の座をめぐって血で血を洗う、どろっどろの権力争いが繰り広げられるのです。

それは、未来の天皇本人よりもその側近達によって起こされるものであり、彼ら(天皇候補)は
ある意味、犠牲者なのかもしれません。
自分が従事している人間が天皇になれば、その側近たちは絶対的な権力を手に入れられるから。
自分が仕えている人間さえ利用して権力を手にしようとする人間が、ウジャウジャ居るのです(怖っ)。

そして、この物語の主人公である橘嘉智子も、全てのライバル達をありとあらゆる手段を使ってなぎ倒し
結果、皇后の座を手に入れるわけですが、それも結局は橘嘉智子を皇后の座につけて
それを利用して権力を手に入れようとする、藤原北家の陰謀だったりして。
で、この権力争いをしているのは、一部の力を持った貴族たちで一般庶民は蚊帳の外。
貴族は良い生活をし、庶民は今日食べる物にも困る貧しい生活。
「何だか、現在の北のあの御国に似ているなぁ。日本も昔は、あの北の御国のようだったんじゃん」
なんて思ったりして。

とにっかく、権力を握る為に兄弟姉妹同士で殺し合いも当たり前だし、邪魔な奴はどんな手を使ってでも抹殺する
という世界で、「人間ってここまで醜くなれるんだな」 となんか読んでて恐ろしくなってきました。
特に藤原北家の野心の凄さには驚いた。
「なんだよこいつ(藤原)、すげぇ、悪いやつ!超嫌なやつじゃ~んっっ!!」 とか
思って読んでたんですが、最後は野心も冷血さもここまで徹底していると逆にかっこ良くさえ思えてきたほど。
『るろうに剣心』 でいったら、志々雄みたいなかっこ良ささえ感じたりして。

でも 『 檀林皇后私譜 』 は、史実を基にしてはいますがフィクション小説であり、実際の藤原一族が
そんなに悪だったのかは?ですが。
でも、実際けっこうブラックっぽいけど・・・・・。
日本史は全然詳しくないので、その辺はよく分かりません(汗)。

で、そのドロッドロの権力争いもすごく読みごたえがあるのですが、それだけではないんです。
実はこの 『 檀林皇后私譜 』 には、橘逸勢と空海も出てくるんですね~。
橘嘉智子と橘逸勢は、いとこ同士で、橘嘉智子は小さい時に父を亡くし橘逸勢の家で育てられたんです。
橘嘉智子と橘逸勢は兄妹同然に育ったということが背景にあり、そして物語上、逸勢は嘉智子に
ずっと想いを寄せているというところが、あたし的にはすっごい萌えなんですよね~(結局、そこかいっ!)
最後は、敵同士みたいな関係になってしまうのですが・・・(涙)。
夢枕獏の 『 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 』 を読んで、空海と橘逸勢のラブラブぶりに
すっかりハマってしまったあたしは、この話の展開に萌えまくりで・・・
この 『 檀林 ~ 』 では、空海はあんまり重要な役ではない感じなんですが・・(悲)。
逸勢が、めちゃキーマンになっているところがめちゃ萌えです(結局、そこっ!)。

この 『 檀林皇后私譜 』 は、フィクションも入ってますが史実を基に書かれている様なので
日本史の勉強にもなりますし、女子も大好きな(?)恋愛ストーリーもちょっと含まれているので
歴史小説と言っても読みづらくはなく、一気に読んでしまいました。
面白かったです。


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Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

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