スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
                                               web拍手 by FC2

照柿(単行本)/読書感想記・4


「鴨川ホルモー」、いったん返却した後、またすぐ借りられました。
次予約していた人、いなかったみたいです。
パソコンから貸出延長手続きしようとしたら『次予約者が居るので延長不可』ってなったんですけど。
不思議だ・・・・。
でも、借りられたから、まっいっか。

照柿・読書感想記、畳んでます。






照柿(単行本)読書感想記・4


~ 第二章 帰郷 より ~
       ( 雄一郎とお蘭の大阪出張編/2 )



新大阪駅から、通勤時刻でもないのにすし詰めの地下鉄御堂筋線の電車で梅田ターミナルに着いたとき、雄一郎がはっと思い出して隣の顔を覗いたときには、もう遅かった。新大阪からはほんの五分ほどだったが、身動き出来ない乗客の間から頭一つ分飛び出した森の顔は、整髪料その他の臭いを浴びてすでに発疹だらけだった。
この後、合田さんと目が合った森くんは「午前八時四十分の新宿駅」と言って笑うんですけど、この「午前八時四十分の新宿駅」の意味がいまだに解りません。なぜ、八時四十分の新宿駅なのか? それのどこがおかしいのか? 午前八時四十分の新宿駅で何かありましたっけ?? ところで、森くんって長身なのね。乗客の間から頭一つ分飛び出るくらいの(萌え)。


不気味なことがあるものだ。東京ではにこりともしたことのない森が笑っている。時間がかかってもタクシーに乗ればよかったと後悔するひまもなく、雄一郎はその森と一緒に、開いたドアからどっと外へ押し出された。
森くんの笑顔が不気味だなんて、しどいわ、雄一郎 無表情能面お蘭でも、たまには笑うわ。人間だものっ。 でも、タクシーに乗ればよかったと(一応)後悔してくれるのねん。森くんの為に・・(うふっ


ホームいっぱいの乗降客をよけて大股で歩き出すと、森の方は、カバンから取り出したマスクを付け、サングラスをかけてついてきた。発疹が出たときの、いつものスタイルだった。
お蘭ちゃんも苦労してるのね。アレルギーって時と場所を選ばないから大変だよね。大阪ではサングラスにマスクという風体を、曾根崎署の受付の警官や、府警の係長や、被疑者面談の為に訪れた病院の医師にまで散々変な目で見られちゃうし。こういう事の積み重ねが森くんを島へと追いやっていくのね(悲)。そして、最後は合田さんの冷たい仕打ちがとどめを刺したか?(涙)


不毛なことを考えてるなと思いながら、切れた受話器を置いてボックスを出ると、森はイチョウの木の下できょろきょろ街の様子を眺めていた。大阪の街の何がそんなに珍しいのか、その奇妙に無心な間抜け顔を見ながら、雄一郎の頭はまたふと余計な方向へ流れた。理由は知らないが、あれほど上昇志向をむき出しにして今日まで頑張ってきた森義孝も、何かの心境の変化で、警察にそれほどの未練がなくなっているのだろうかとふと考えてみる。
はいっ、それほぼ正解ですからっ! だ~か~ら~、早く気付いてよ、雄一郎っ!島に行っちゃうんだってば森くんは。あなたが美保子のことやなんやらでモヤモヤしているうちに転属願い出しちゃうんだからね! 


「君、何時に立ち去った?」 「主任のすぐ後です。三時十五分。県警の配備はその後ですよ、きっと」 「へえ・・・・」 「運が強いんですよ、主任は。私もこれまでずいぶん、主任の運を分けてもらった」 「なあ、森。それより、大阪にアトピー専門の有名な病院があるの、知ってるか。ほら、こういうのが・・・・」
はぁ~(溜息)。おいそれっ「これまでずいぶん主任の運を分けてもらった」って、森くんの雄一郎への別れの挨拶だぞぅ。それなのに雄一郎ったら森くんを追い払おうとしやがって・・・。雄一郎ったら雄一郎ったら(大泣)。 しかし、合田さんも森くんも大阪出張前日、深夜3時15分まで仕事して。こっから家帰って風呂入って・・ふたりともほとんど寝ないで大阪じゃん(汗)。過労死しないでね。


つい最近、雑誌で見た記事を何となく切り抜いて、手帳にはさんで忘れてしまっていたものを、雄一郎はおもむろに取り出した。「な、これどうだ、絶食療法、光療法、鍼灸、整体に併せて適切なステロイドの使用指導とスキンケア・・・」
でも、何となくとはいうものの雑誌の記事を切り抜いて持っていてくれているあたりが、なんやかんや言ってお蘭ちゃんのことを気にかけてくれているんだろうな。別にどうでもよかったらそんなことしないよな。 こういうのをツンデレと言うのか?いや、ちょっと違う気がする。 雄一郎よ、あんたはやっぱり小悪魔だ。


森は切り抜きを見もしないでポケットに収めると、無表情にこう言った。「私、時間があれば国立文楽劇場へ行きたかったんです。では、お先に」 そうして森にあっさり一本取られ、森は御堂筋を立ち去ってしまった。
はい、森くんはちゃんと見抜いています。そうやって森くんを追い払おうとしていることを。 雄一郎、あんた演技下手過ぎ(汗)。・・・でもまぁ、合田さんもこの頃は自分のことで、いっぱいいっぱいだったんだろうけど。


                          
                   ~ 次回へ続く ( たぶん ) ~



関連記事
                                               web拍手 by FC2

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

YUKI

Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カテゴリ
お知らせ
カテゴリの『読書感想記』『プチ地取り』はウェブサイトからも観れます。 リンクの【DAYDREAM/yuki・ウェブサイト】から、どうぞ。  ※なお、内容はブログにアップされているモノと同一ですのでご了承ください。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

めーる(お気軽にどうぞ)
ご意見、苦情、なんでも受けたまわります。でも、あんまり凹むのはヤメテネ。

名前:
メール:
件名:
本文:

へーちょー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。