七係シリーズ読書感想記 《凶弾編》2

9月に入って、ようやく少し涼しくなり、やっと人間らしい生活を取り戻しましたが
気が付けば、前回の更新から1週間が経とうとしてるんですねぇ。
そんなに、間あいてないと思っていたのにビックリです。
あいかわらず、更新の遅いブログで、すみません。

七係シリーズ読書感想記 《凶弾編》 2、 書きました。
今回は、3回に分けてお送りする予定でございます。
(今回は、やたらと力入ってますっ

それでは、七係シリーズ読書感想記 《凶弾編》 その2、 どうぞ~。


ネタバレ有ります。ご注意ください。


              



警視庁捜査一課第三強行犯捜査第七係 第五話 《凶弾》

捜査本部は立たなかった。遅れて池袋署の会議室に入ったら、本庁から出てきた1課長がそういう説明をしていた。実のところ、本部が立たないのなら、今日にもどこかで新たな殺しがあれば、七係はそっちの方へ回ることになる。鋭意も糞もなかった。しかし、普段は何だかんだといちゃもんをつける吾妻や森がおとなしいのは、現実にこの辺りを歩き回っている限り、ホシはまず挙がらないだろうと思うからで、それは誰しも同じだった。
あぁ、確かに誰かさん(吾妻ではなく、もう1人の方)は、いっつも会議でイチャモンつけてますもんねぇ。 今回はイチャモンつけないんか。 おとなしくしてる時もあるんやな。 めずらし~~。 ペコさんはまだしも、森のイチャモンは性質が悪いもんな~。言われた方はそりゃ~、頭に来るだろう。

「アジアやなあ」と思わず呟いたら、隣の傘の下で、森が買い食いの握り飯を喉に詰めて何かぶつぶつ言った。 「今ごろ何ですか」 「いや。東京も遂にアジアになったと・・・・」 「今までは、東京は何だったんですか」 「東京」 森はもう返事もしなかった。しかし、無駄話も一応聞いているのが可愛い。
 は、合田さんと森くんの会話)。 きゃーーっ!! 合田さん、森くんのコト、可愛いってっっ!!皆さん、聞きましたかっ、可愛いってっっっ!! ウキッーー! 握り飯を喉に詰まらす森くんも、かわえぇ あいかわらず、進歩のない会話をしている2人ですが、もうあたくし、この場面の2人の会話に萌え萌えっす 『マークス』 や 『照柿』 には無い、合&森の何というか、ちょっと緩い会話。 ここら辺が 単行本化されている高村作品とは、ちょっと一風違った作風(軽いノリ)の『七係シリーズ』 ならではの、おいしいトコかな しっかし、お蘭、かりにも合田さんは先輩であり、上司でもあるんだぞっ。 その態度は何だっ! 社会人としてどうなのよ、返事ぐらいしろっ!!

合田が言いたかったのはこうだ。合田が生まれ育った大阪にも、戦前から異国の人々が住み着いた町があり、浮浪者の町があり、それなりに行政によって巧妙に管理され、共存してきた歴史がある。しかし、東京に今、根づいているのは管理でも共存でもなく、侵略か占拠といった方が近い。その在り方がアジアだと思うのだ。 歩きながら、森を相手にそんな話をした。 大陸の華僑が東南アジアに根づいた在り方に代表されるように、住みながら交わらず、多様な文化がそのまま交錯し衝突する、その在り方がアジアなのだ、と。金満ボケで自国の方向感覚を失った東京の足元は、今や虫食いのアジアそのもののように自分には映る、と。
う~ん、合田さん、奥深いっす。 あいかわらず思慮深いというか。 『馬』 や 『新冷血』 ではグルグル悩んだり考え込んだりして迷走しているみたいですが、若く活動的で、現場で突っ走っている感じのこの頃から、その兆候は有ったようです。性格なんですかねぇ。物事を軽く流さず、深く考えちゃうんですねぇ、きっと。 でも、日々仕事に忙殺されながらそんなに真面目に考えちゃ疲れちゃいますよ。 もうちょっと軽く考えて、もっと適当に生きたら生きやすいだろうに。 そんなんだから、『照柿』 でドロップアウトするねんっ。(←しつこく言う)。 まぁ適当に生きられない、そんな不器用な合田さんだからこそ魅力的なのかもな。

「それで?」 「俺の頭の中身が、時代についていけるかどうか、心配で」 「人間は悩むうちは努力する、と言ったのは誰でしたっけ」 「ゲーテ」 「とにかく、心配ないです」 森は白けた面でさらりと言ってのけた。「交わらなくても、話は出来ます。主任と私みたいに」 ズレているような、的を射ているような。森と相対していると、頭の中心軸がきりりとねじれてくる。
この合田さんと森くんの会話、森くんなりに合田さんを気遣ってあげてるのかな、という気がしないでもないような・・・。 不器用な森の精一杯の愛情表現か? それにしても、『ゲーテ』、2人とも読んでるんですかねぇ? この2人の会話からすると2人とも読んでいる様にも読み取れますが、読んでるんだとしたら、「エッ!!」って感じ。 まぁ、読書家の合田さんはともかく、森が 『ゲーテ』 読んでるの!?  『ゲーテ』 って詩とか書く人でしょ。ガラじゃないんだけど。 ぜってぇ、有り得ねぇ。 しかし、第2話の 《放火》 でも 『ボヴァリー夫人』 知ってたし、森くんも結構、読書家なのか?

「ところで、あの201号室にいた女・・・」 「瑞丹(ルイタン)。廖美范(リャオメイファン)。どっちです?」素早く手帳を繰りながら森は正確に2つの名前を挙げた。 「瑞丹。ちょっと様子が変だった」 「私は気がつきませんでした」 「俺たちを見ていた・・・・。気のせいやと思うけど。ともかく、あの女は水商売だ。帰宅時間からみて、殺しを目撃した可能性もあることはあるんやが・・・・」 「死体ぐらいは見てるかも」 「ああ、死体は見た可能性がある」 「それで?」 「何か言いたそうな目やったから、ちょっと追ってみるか」 「珍しいですね」 「何が」 「主任が、女の目に気づくのは」 「きっと、悪いことが起こる」 「そうですね」 そう呟いて、森はふいとひとり笑いした。
合田さんの 「201号室にいた女・・・」 との問いかけに正確に2人の女の名前を挙げ、即答する森。 やっぱり優秀なのねぇ。 性格はひん曲がっているが仕事は出来る男なのね。 しかし、この合田さんと森の会話も萌え満載っす。 「珍しいですね」 「何が」 「主任が、女の目に気づくのは」 「きっと、悪いことが起こる」 「そうですね」 (きゃっ) ・・・そして、ふいとひとり笑いする森。 この、ふいとひとり笑いする森くん、萌えだわぁ~ そして2人のこの、なにげない会話、事件の周りに漂う不穏な空気を暗示しているのですが・・・・  (しかし合田さん、なんとなく危険を感じているようですが・・・さすがに鋭いっす。森くんは、誰かの視線とか危機感を感じてないんでしょうかねぇ。そこら辺は触れられていないので全く分かりませんが・・・)

「廖美范が・・・」と森が突然呟いた。「クサイと思います」 「理由は・・・」 「今朝のガサで、2人のパスポートを見た時、廖美范の方は写真とちょっと顔が違った。そのときは化粧のせいかと思いましたが、頬骨の高さとか・・・・」 森は意外なことを言い出した。自分も同じ女の顔を見たのに、自分の気づかなかったことを指摘されてカチンときたというより、心底びっくりしたのだ。
廖美范の顔がパスポートの顔と違っていたと言う森。合田さんも気づかなかった事に気づいていた森くん。 この七係シリーズでは、今まで散々な言われようだった森くんですが、この第5話 《凶弾》 では、なにげに森くんの優秀さがアピールされてる様な気がするんですが・・・・。 おバカな森くんファンの危ない妄想でしょうか?? 

「なんで、早く言わへんかった・・・・!」 「女の顔には自信ないですし、整形手術したのかも知れないし・・・・」 「アホ。査証と旅券番号の控えをよこせ!」 森の手から手帳をひったくって、警電に飛びつき、本庁の6階大部屋の番号を呼び出した。
確かに、女の顔には自信ないやろうな。 女には縁無さそうやもんな、お蘭。 しっかし、もっと早く言えよ~。何で今頃言うねんっ!アホ。 ところで、合田さんの 「アホ」 ですが、前にも言いましたが、この合田さんの 「アホ」 って、なんかミョ~に愛情を感じるのですが。 あたしも、合田さんに1度でいいから 「アホ」 って、言われてみたい



      七係シリーズ読書感想記 第5話 凶弾 その2、  ここまで・・・次回へ続く

一先ず、ココでぶった切ります。
次回は、いよいよクライマックス!!!!
合田さんがメッチャかっこいいです。 こう、ご期待!!
                     
               (誰も期待してねぇよっ。)


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こんにちは。

いよいよ佳境に入ってきましたね。
このシリーズは、ストーリー展開もだけど、合田さんと森くんのラブラブ度に目を疑いそうになります。
あれ?この二人、こんなに仲良かったっけ?
「ほんともう、雄一郎は浮気性なんだな・・・」
という加納氏の呟きが聞こえてきそうですよね。

はてさて、この関係から森君を島へと走らせたものは、いったい何だったのでしょうね?
やっぱり、合田さんの心変わりかしら〜???

続きも、楽しみにしていますねi-178

Re: タイトルなし

こにちは。
この『七係シリーズ』、合田さんと森くんの無駄話が満載で
あたし的には、すごく美味しいんですe-266
無口なふたりには、めずらしい程、よく喋ってます。
しかも、『マークス』 や 『照柿』 には無い、ゆる~い会話。
あいかわらず噛み合わない、前に進まない会話ですがねぇ。

だけど、この『七係シリーズ』、悲しいほど加納さんが登場しませんe-263
加納&合田ずきには、物足りないですよねぇ。
この七係シリーズでは、合田さんと森くんが結構仲良し(?)ですが
けっきょく、合田さんが最終的に選ぶのは加納さんですから・・・・。
まぁ、もともと加納さんと森くんじゃ勝負にならなかったんでしょう。
そして、勝負に敗れた傷心の森くんは、島へ・・・・・
ここら辺が、島へ渡った森の本当の理由でしょう。  ←(違ぇよっ!!)

きっと、加納さんと合田さんはこれから先も、つかず離れず
一緒に人生を歩んでいくんでしょうね。
もしかしたら、劇的な変化もあるかも!!
今後の加納さんと合田さんの関係がどうなっていくのかは
森くんファンのあたしにも、すごい興味があります。
密かに 『新冷血』 の単行本発売、楽しみにしてますe-343

コメント、ありがとうございましたe-420


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プロフィール

YUKI

Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

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