薔薇の名前、読了




※ ネタばれあります。未読の方はご注意ください




ウンベルト・エーコ著の 「薔薇の名前」、読了しました。
ん~、良かったです。
「とてつもなく、凄い本だな」というのが一番の感想です。
色々な意味で、凄い!
まず一つの凄いは、凄く難解だということ。
難しいです、ホント~に難しい。
物語は、イタリア中世のある修道院で一人の修道僧が亡くなったところから始まります。
で、それを皮切りに修道院の中で、次々と修道僧が殺されていく。
その連続殺人事件を、フランチェスコ会修道士のウィリアムとベネディクト会見習修道士のアドソが
解明していくわけなんですが・・・
この物語は、ウィリアムの弟子であったアドソが、まだ、見習修道士だった頃、体験したことを
後年、年老いて死期も近づいたアドソが回想して、後世の読者に伝えようと手記を残す
という形で、書き記していくという構成になってます。
ただ、一口にミステリー小説かというと、単なるミステリー小説ではない。
ジャンルで言ったら、歴史&宗教&哲学+ミステリー小説とかになるのかな???
殺人事件の謎解きと共に、話は進行していくんですが、その中に色んな要素が含まれてきます。
このミステリーの部分以外の話しが、恐ろしく難解でかなり読むのに苦労しました。
この物語は、最後にちゃんと連続殺人事件の犯人が判明し、一連の事件は一応は解決するのですが
なんとも、後味の悪い事件の終結なのです。
犯人は判明したけど、それで本当にこの事件の全てが解決したのか? という疑問が残ります。
ラストは、かなり重たいです。
事件の裏には、物凄く複雑ないくつもの問題が絡み合っていて、ひたすら重いラストだと感じました。
事件の真相にたどり着いた後にウィリアムが言った
「すべての犯罪に一人の犯人がいるものと思いこんで、わたしはここまで辿り着いたのだが
それぞれの犯罪には結局、別の犯人がいるか、誰もいないことを、発見したのだった」
という言葉が印象に残ってます。
本当に、一連の事件の犯人は「別の犯人がいるか、誰もいないのかもしれない」と思わせるようなラスト。
この物語の結末は、全人類に対する神からの警告なのかな、とも思えたりする・・・

とにかく、難解過ぎて半分くらいしか理解出来なかったけど、すごい小説でした。
「すごい小説」、語彙の少ないあたしには、それしか言葉が見つからない。

以前、高村薫の「太陽を曳く馬」のキリスト教版、と書いたけど
「薔薇の名前」を読了して、やっぱり似てるかな? と思った。
「太陽~」は日本で仏教、「薔薇~」は、イタリアでキリスト教、で、話も全然違うものなんですけど
小説全体に流れる空気感というか匂いが、なんとなく似てるかな、と思った。

「晴子情歌」、「新リア王」、「太陽を曳く馬」の3部作を完読された、高村ファンの皆さんだったら
「薔薇の名前」も完読できると思います。
高村小説が好きな方だったら「薔薇の名前」も楽しめるかも。
お薦めの一冊です。


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このアドソの手記は 『過ギニシ薔薇ハタダ名前ノミ、虚シキソノ名ガ今ニ残レリ』 という言葉で終結している。


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YUKI

Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

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