ライ麦畑でつかまえて

『The Catcher in the Rye』 (村上春樹 訳)   『ライ麦畑でつかまえて』 (野崎孝 訳)

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    J.D.サリンジャー 著

この本の主人公は、高校生の男の子、ホールデン・コールフィールド。
4つ目の高校を退学になって、高校の寮を飛び出し放浪し、実家に戻るまでの3日間の話。

この 『ライ麦畑でつかまえて』、あたしは大好きなんですが、その中でも特に好きな1節があって
妹のフィービーに 「兄さんは世の中に起こることが何もかもいやなんでしょ」「違うんだったら好きのものを1つでも言ってごらんなさい」 と言われて、苦し紛れに 「僕が何になりたいか教えてやろうか?」 と言って言った言葉。

「僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない。-------誰もって大人はだよ------僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ-------つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。1日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ」

この部分が、この本の表題である 『ライ麦畑でつかまえて』 (The Catcher in the Rye) になってるんだと思うんですが、ココすごく好きです。

そしてラストの、妹のフィービーが雨の中、回転木馬に乗るシーンも好き。
回転木馬に乗るフィービーを、雨の中ずぶ濡れになって見守りながら、ホールデンがすごく幸福を感じる場面。
いままで、世界のすべてが気に入らない、世の中に起こることが何もかもいやだ と考えていたホールデンが、雨の中、回転木馬に乗ってぐるぐる、ぐるぐる回り続けているフィービーの姿が、無性にきれいに見えたと言うシーン。
その光景が頭に浮かんできて、なんだか無性に感動したのを覚えてます。


ホールデンは、16歳にして世の中に対してかなり捻くれた見方をしていて、一見変わった奴ですが、実は凄く感受性豊かな繊細なヤツ。まさに
現実的であると同時に厭世的で、自己陶酔的で、限りなく献身的で利己的で、且つ・・・・繊細

世の中に起こることが何もかもいやだ・・・・・
年がら年中、自分自身を含めた世界のすべてが気に入らないような面をした誰かさんと被ります。
(?な方。マークスの山 単行本 P165 参照下さい)


・・・・余談・・・・
ジョン・レノンを射殺したチャップマンという男も、レーガン元大統領の暗殺犯も 『ライ麦畑でつかまえて』 の愛読者だったらしい。

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Author:YUKI
高村薫小説、大好き!!
『晴子情歌』で挫折し、暫く高村小説からは遠ざかっていましたが、最近やっと『太陽を曳く馬』『冷血』『晴子情歌』『新リア王』(読了順)を読了。
これでたぶん、単行本化された髙村小説すべて制覇したと思います。
合田シリーズに登場する過去の人、
森くんをこよなく愛す、おバカです。

2012.5.4 ブログ開設
2013.1.1 ウェブサイト開設

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